巣立ち

2022年度がスタートしましたね。


我が家は長男が大学進学で東京に行ったので、春から5人暮らしから4人暮らしに。


先週、息子を進学先の街に送り届けてきました。


引っ越し業者さんを使わずに、母と息子の2馬力引越しです。


仕事用の軽バンで引越し。

愛するN Van。頼りになります。

写真はホンダさんのホームページからお借りしました。

私が仕事以外で普段乗っている車は普通車。

こちらは軽バンよりさらに軽快に走るし、もともと運転は嫌いじゃないので、ナビを頼りに私は高速を使ってどこでも行っちゃいます。


でも今回軽で行く東京はちょっと心配だったので、緊張から朝2時に目が覚めてしまいなんだか眠れなくなって、5時に出発することに。


車に乗ったら、Bluetoothで勝手に流れる(あんまり設定がわかっていないので)サブスクの音楽がなんとYOASOBIの「あの夢をなぞって」。しかもサビの部分が流れてきたので、びっくりしました。

泣いちゃうじゃん!

でも、泣いちゃうなんて照れ臭いし格好悪いから

「なんで今この曲よ!ドラマかい!」

なんて言いながら、すました顔して出発。


母、心の中では小さい頃の長男のあれこれや、

いろいろ手伝ってくれたあれこれや、
末っ子を可愛がってくれていたあれこれを噛み締めながら車を運転させたのですが、

なんせ2時に目が覚めてしまったこともあり、高速を20分走らせたころにはもう睡魔が・・・。

まだ6時前に仮眠タイム。




荷物が多過ぎてシートは倒せないし、とりあえず寝てはみたけど安眠にはほど遠く、

体痛いし、眠りは浅いし散々でした。とほほ。


5時に出たのに8時になっても静岡から出られずにいたという・・・。


こんなんだったら家でもう少し寝ていたらよかった。


とはいえ、神奈川からはあっという間で、10時すぎには息子のアパートの前に着きました。静岡から5時間か。


物件見学のときはあまりあまり綺麗に感じなかった部屋で、私の気持ちは萎え気味だったのですが、入居前に壁紙を替えてくれたり、網戸のあみが新しくなっていたりととても良くなっていました。

なにこれー、よかったじゃーん!


東京のホームセンターとかで買い物するのはなにかと心配だったので、ホームエリア1番とばかりに静岡で生活必需品はほとんど買ったのですが、

アパートから徒歩10分圏内にホームセンターも無印良品もニトリもありました。

しかも3時間無料の立体駐車場もありました。

なんだ、手ぶらでもよかったかも・・・。


とはいえ、買い出し作業がなかったことは時間を有効に使えましたし、結局夕方には作業がほぼ終わり、あとは自転車を買うだけになりました。


夕飯を求めて近くを散策し、見つけた焼き鳥屋さんで夕飯を食べて、その日は就寝。

静岡に残してきた家族には

「お母さん数日遊んで帰るから」

と宣言していたのでしたが、

狭いワンルームの息子の部屋に泊まるための寝具は寝袋なんですけど、普段こういうものに寝たことがない私には、体が痛くて痛くて・・。

しかも壁紙の接着剤のにおいなのかわからないですが、体の痛みとにおいのおかげで夜中に何度も目が覚めてしまい、体が疲れているのにゆっくり休めないという・・・。


「なんか、やだな。もうかえろ。」


カーテンの向こうが少し薄明るくなってきたのを確認しながらもう一度寝袋に入りました。


息子のアパートは東京ですが田舎なのでウグイスの声がよく聞こえる部屋で、体がいたくても、よく眠れていなくても、なんだか幸せな気持ちに。


朝、散歩しながらアパートから10分ほどにある猿田彦珈琲のカフェに行き、その近くの自転車屋さんで自転車を購入。


ちょっとどうでもいい話ですが、息子の入学式用のスーツは七五三の時に着せたのと同じ黒のスーツとピンクのシャツ、赤のネクタイ。
写真を見ると、この頃の声まで思い出すなぁ。

自転車は小学生の時に気に入って乗っていた自転車を思い出させるような赤の自転車に。


かわいかったあの頃を思い出させてくれて、それだけで、母、上機嫌。

財布の紐も緩くなるねー。


自転車を買ってしまったら、息子としてはもう用はないので、帰れ帰れと、まあうるさい。


息子には言わなかっただけで、母、夕方には帰るつもりでいたけれど、帰れと言われたら帰りたくないのが人の心というもので(苦笑)、母ねばるねばる。

3時ぐらいまで「明日も遊ぶ」なんて言って粘っていたけれど、家に着く時間を逆算したらそろそろ出発しなくては・・・


「そんなに言うならもう帰るし」


なんてわざわざ憎まれ口を叩いて、帰る準備。

とはいえ、準備するほどの荷物なんてないし。

財布と出たゴミを車に積み、帰る準備はすぐ万端に。


いざ、帰るとなると寂しいのとも違うけど、名残惜しいのとも違うけど、頑張れと言う気持ちと、離れて暮らすことがまだ現実とは思えないなんだか不思議な感覚になりました。


それでも、ありきたりだけど、

「困ったらいつでも連絡しなさい。お金、足りなかったらいいなさい。嫌になったら、やめてもいいからね」

みたいな、どこかで聞いたような、読んだような、一応親らしいフレーズをひと通り言って、じゃあね、と車を走らせました。


帰り道、泣けて仕方なかったなんて話をママ友たちから聞いていたから、

自分もそうなるかなと思ったけれど、

高速に乗るまでのナビが世田谷の高級住宅街を抜けたり、狭いのに2車線とかいう道を通ったので、

泣いたり浸ったりしている暇もなく、めちゃくちゃ緊張!しました。こわーい。


こわいし、「こんなお家にはどんな人が住んでいるんだろう〜」…なんて考えるのが、まあ忙しい!


そして高速に乗ったら乗ったで「もう着いたも同然」と安心してしまい、東名高速道路で順調に帰れるはずがうっかり新東名に乗ってしまいなんだか1時間半ぐらい遠回りしてしまい、夕方4時に出発したはずなのに、家に着いたのは夜の10時という・・・。

仮眠した往路以上に時間がかかってしまいました。

行きも帰りもナビの予想到着時間を大幅にオーバーしたものの、私としては遠い感覚はそれほどなくて、また来週行っちゃおう!と思えるような感じです。

息子に怒られるから行かないけど。


巣立ってまだ1週間。

お米を炊くときに、「あ、いないんだっけ」と感じます。


今まで小学生の末っ子が寂しくないように、お腹がすかないように、なんだかんだ気遣ってくれていたことをこの1週間で母は気がつきました。


優しく育ってくれてありがとう。

父親が不在のことが多い我が家で、力仕事や電気仕事を全てやってくれてありがとう。


1歳の誕生日前に無熱性痙攣が止まらず、普通の成長は望めないかもと先生に言われたこともあったけど、それも完治して、それ以外は全て全て順調で健康で、なにひとつ心配することもなく大きくなってくれました。

大学生活はどうぞのびのびと、好きなことを、自分のために、自由にやってほしいと思います。


我が家と同じように、自宅から巣立って行ったお子さんをもつ方も生徒さんの中にはいらっしゃいます。


ご自身が新しい生活を始めた方もいらっしゃるいます。

また、今まで通り穏やかな4月を迎えたかたもいらっしゃいます。


それぞれにそれぞれの春です。


桜を見ながら、その春が人生を彩る幸せな1日であることを願ってやみません。



Tata 【フレンチスタイル花教室】

静岡県西部地区を拠点に店舗を持たず花の仕事をしています(教室・販売・装花)。 お花と触れ合う時間が日常を優しく豊かにすることを伝える、環境に配慮しながら花と自然を楽しむことを伝えています。