安いブーケの話
アイロニーの谷口さんがSNSで時々やる質問コーナーというのがあります。
結構面白くて、学びあり、笑いありで、私はその企画が大好きです。
その中で、忘れられない質問と、忘れられないお返事があります。
それは、
「安いブーケはどうやって作ったらいいですか?」
というものでした。
アイロニーの商品は、オンラインストアで見ると5000円から。
「安い」の定義は人それぞれだけど、値段に走らないと言っている谷口さんにこの人はすごいこと訊くなと思いながら読み進めると、
谷口さんのお返事は、あまりにもお花への愛があり、撃たれましたね。
やっぱりあのお花を束ねる人だなと、納得しました。
お返事はこうです。
「安いブーケは作れないけど、小さなブーケは作れます」
シンプルだけど、ド直球でした。
ちょっと怪しい人の独り言になりますから
ここから先は
信じない人は「はいはい」と、片目の薄目で読んでください。
お花と会話していると
ほとんどのお花は言うんです。
値段のことを言われるの好きじゃありませんって。
値段で判断する人のところに、行きたくありませんって。
日持ちする?みたいに
得か損かで判断されるのがとても嫌いです。
そんなザワつくお花たちを
「まあまあ」ってなだめて、
「だけど必要とされてるよ」って「喜んでもらおうよ」伝えて、花たちを送り出すのですが…。
自分の価値を得か損かと人間が判断しているのがわかると、
お花は途端に、さっさとその命を終わらせてしまいます。これホント。
ある程度は
なんというか…
期待されてお世話されると
子供が親の期待に応えようと頑張るように、頑張って咲いてはくれますが
実はお花はとても苦しいです。
最近、毒親という言葉があるけれど、そういうところで暮らしている子供のように、健気に、人の顔を見ながら頑張ります。
「安いブーケは作れないけど
(綺麗な)小さなブーケは作れます」
というのは
お花に対しての愛と尊敬を感じる言葉でした。
お花は「綺麗だな、可愛いな」と人間が思ってくれると、喜んで長く咲きます。
人間だってそうでしょう?
これを読んでいるあなただって…。
あなたがもしも女性なら、
綺麗、可愛いと言って大事にしてくれる旦那さんや彼氏のためなら、家事も頑張るしニコニコして笑顔で家庭の中を明るくし、自分自身も見た目も綺麗でいたいって、
そう思うんじゃないかしら。
でももし仮に結婚前やお付き合いが始まる前に彼が
「あなたと結婚すること(お付き合いすること)は僕にとって何か得になりますか?
あなたは妻としていい働きしますか?
しかも長生きして、たくさん働いて、僕の役に立ってくれますか?
役に立たない妻なんて、価値ないと思うのだけど、あなた、その価値ありますか?」
なんて値ぶみされたら、どうでしょう?
想像しただけで、私は心がシワシワに萎れてしまいます。
お花は言葉を話さないけれど、
あなたがされたら嫌なことや、思われたら嫌なことと同じことが嫌いです。
世の中には
たくさんお花屋さんがあります。
まずはお花を大事にしているお花屋さんからお求めください。
あなたのところに行く前に、悲しい想いでいっぱいになっているお花は、
優しいあなたのところへ行くと、安心して命を終わらせてしまう場合があります。
良かった、安心したんだねって思えたらいいけど、お金のやり取りが発生しているから、そうは思えないのが人間です。
だからせめて、私が今日代弁したお花の気持ちを、知っていて欲しいと思います。
お値段で選ばないでというのは難しいですが
知ってくれているだけで、違います。
お花も人間と同じで限りある命を持っています。
お買い上げになったあと
お花の命が終わったとき
仮にその命が短かったときは特に、
少しだけ今のご自身のいる環境や周りへの配慮、感謝などを振り返るきっかけにしてくださったらお花たちも幸せです。
話は戻って
安いブーケは作れないけど
小さいブーケは作れますという言葉を聞いたお花たちは
綺麗に咲こうと決めたと思います。
手にしてくれた人を
必ず喜ばせようって。
安いブーケはTataも今後作りません。
小さなブーケはご用意できます。
お気軽に、ご相談くださいね。
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