枠と粋
この間、花好きなお友達がアトリエに遊びに来てくれて、私は花仕事をしながら、おしゃべりをしていた時のこと。
彼女が私のブーケを束ねる様子(モリモリ花を使っていくサマ)を見て
「大抵のお花屋さんって、1本いくらって計算しながらやるから、作品の出来上がりよりもお金に重きを置くよね。あなたのは違うのね」
と、多分、褒めてくれたんだと思うけど、そんなようなニュアンスで言ってくれました。
お客様目線だと、花材をモリモリ入れていく様子はお得に感じただろうと思います。
もしかしたら束ねる過程で何回も眺めている姿はこだわりが強い職人さんみたいに映ったのかもしれません。
「なかなか納得いかなくて」
って私が言った言葉は
もしかしたら値段より作品の完成度重視して、なんだか芸術家みたいに見えたかもしれません。
でもね
それは決して褒められた話しではないと自分で思っていて、良い仕事をしているとは思っていません。
値段のバランスは私の最大の落ち込み要素です。
だって、このままではお店は成り立たないものね。
私がオーナーで、私が従業員なんだけど、うちの従業員はいつも店を潰しそうで、本当にオーナーとしては毎回困っているし、叱っています。技術が追いついてない。
花材という限界のある中で、いかに表現の限界を超えて美しくやれるか。
このことは枠と粋の話を年頭に聞きにいったことを思い出します。
枠(わく)を極めて粋(いき)になる。
この先の残り40年ほどでどれだけやり遂げられるかしら…。
限られた花材をどれだけ自然に還すように美しく束ねるかの予想を超えていくことが大事。
ご注文くださったお客様に
日々、学ばさせて頂いている気持ちです。
今日もご注文頂いでいるので、
枠と粋を意識して
しっかりご用意したいと思います。
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