最後の母の日の思い出

母を亡くしたのが2005年なので、15年経ちました。

母はすい臓がんでなくなったのですが、癌がわかってから亡くなるまでの1年のことは慌ただしく過ぎていて、あまりいろいろ覚えていません。


最後の母の日の記憶はあまりなくて、

どちらかと言えば、最後の母の日だと意識しすぎて何もしなかった気がします。


2004年の10月にすい臓がんが見つかり、11月に予定した手術はもう手遅れだからできないと手術予定の3日前に話があり、その後抗がん剤や放射線治療をしながら、癌がみつかった1年後に母は亡くなりました。



5月。

母についに黄疸が出て入院することになった月です。

それが最後の入院で、家を出る前に家の中の部屋を順に1周して、最後に振り返ってもう一度玄関から家を目に焼き付けるように眺めてから病院にむかったことを父に聞きました。


入院してから「帰りたい」と一度も言わなかった母。

母の友達が2〜3日おきに、彼女の庭に咲くお花を入院する部屋に届けてくれていました。


もうベッドから起き上がって歩くことも少なくなっていた母に、季節を届けてくれていました。


あのころ死を近くに感じながら、母の生きている実感は、朝ドラとお友達のお花だったように思います。


あの頃に今の私がタイムスリップできるとしたら、

庭仕事が好きだった母にシャンペトルブーケを見せてあげたいな。

「そんなの草じゃないの」

って憎まれ口を絶対に叩くと思うけど、クリスマスローズとかすずらんとかパンジーとか、庭に植えていたものを、風が通るように束ねて持って行っていきたいな。




母の日であろうとなかろうと

お母さんとおしゃべりできる日があるのは

母を亡くしている私にとっては羨ましい日です。


決して仲良しな親子じゃなかったと思うけど、

それでもそうなので…。


母の日、ぜひ楽しい日にしてください。


母の日は次の日曜日。

今年は5月を母の月としてお母さんに感謝を伝えようとされています。

良い月にしてくださいね。


Tata 【フレンチスタイル花教室】

静岡県西部地区を拠点に店舗を持たず花の仕事をしています(教室・販売・装花)。 お花と触れ合う時間が日常を優しく豊かにすることを伝える、環境に配慮しながら花と自然を楽しむことを伝えています。